生命保険業界の収支構造・その2

続けて業界の大きなイベントを時系列に並べてみたいと思います。

96年04月 (改正)保険業法 施行 標準責任準備金制度、ソルベンジーマージン基準の導入、保険契約者保護基金の創設、生保損保の壁が撤廃(子会社方式)。
97年04月 日産生命 破綻>保護機構が「あおば生命」として営業>04年11月プルデンシャル生命が吸収合併
98年12月 (改正)保険業法 施行 生損保別々に保険契約者保護機構の設置
99年06月 東邦生命 破綻>00年3月GEエジソン生命>02年10月セゾン生命と合併>04年1月AIGが買収してAIGエジソン生命に改称
00年05月 第百生命 破綻>01年4月マニュライフセンチュリー生命へ包括移転>01年9月マニュライフ生命へ改称
00年05月 (改正)保険業法 施行 保険会社も更生特例法の適用対象に
00年10月 大正生命 破綻>01年あざみ生命へ包括移転>02年4月大和生命と合併>プルデンシャルジブラルタル生命へ
00年10月 千代田生命 破綻>01年4月にAIGスター生命へ改称。KKへ改組
00年10月 協栄生命 破綻>プルデンシャルの支援によりジブラルタル生命へ改称
01年03月 東京生命 破綻>T&Dフィナンシャル生命が株式取得
04年04月 太陽生命 大同生命 株式会社へ
02年06月 (改正)保険業法 施行 相互会社の株式会社化が可能に
04年04月 株式会社T&Dホールディングが発足
04年04月 三井生命 株式会社へ
08年10月 大和生命 破綻>ジブラルタル生命がスポンサーに>09年4月プルデンシャルファイナンシャル生命へ改称>10年4月プルデンシャルジブラルタルファイナンシャル生命へ改称
10年04月 保険業法施行規則の改正案発表(所謂改正ソルベンシー・マージン比率に関する金融庁の考え方)
10年04月 第一生命 株式会社へ

直近の改正案は、従来のソルベンシーマージン比率が早期警戒シグナルとしての役割をまったく果たしていなかったという反省に基づき、計算方法を修正するものであり、11年3月期に参考数値として計算された上、12年度から実際に開示される予定。大きな変更箇所は、リスク管理上の信頼区間を90%から95%に上げて最大損失を計算させたこと、また資産種別毎に規定されたリスク係数を増減させ、合わせてヘッジ効果の算定を厳格化させた。
つまり、今まで相当flexibleだった「リスク」の算出をより実態に即した形に修正する方向性を目指したものである、とは言えるでしょう。