情報のフィルタリング−1

広瀬さんのHPで、魅力的な言葉が載ってました。

「情報というものは、人に帰属するのだ。だから人を知らなければ情報を整理することはできない」

http://markethack.net/archives/51745298.html

その通り、カッコいい格言だと思います。
でもちょっとラフな(雑な)割り切りだなぁとも思います。

その昔、偉いヒトを知っている(=話を繋げる)事に大きな価値がありました。
Fixerとか呼ばれるヒトはそういうネットワークを持ってました。
勿論今でも価値が無い訳ではありません。
でもインターネットの登場で、(好むと好まざるとに関わらず)情報の価値は劇的に変わってきた様にも見えます。
そこで私なりに、情報の価値についての変遷を考えてみたいと思います。


大胆に分類してしまうと、商売の世界と投資/融資の世界と知識の世界では、情報の価値ヒエラルキーはだいぶ異なっているのでは無いでしょうか?

そこでまずは、商売の世界について、考えてみましょう。

ここでいう情報とは、究極的には、購買能力の高い消費者=「お金持ち」を知っているコト。これに尽きるのだと思います。
お金持ちのリスト、これが一次的な「情報」となります。
(フォーブスの世界の資産家ランキングとか、納税者リストとか(ちょっと異なりますが、会社四季報とか紳士録とかも含めて)
これらが、大切な情報源となります。
こうした情報は一般的には、なかなか見えにくいですが、例えば上場企業のオーナー等であれば、一定程度パブリック・ドメインでも探せる情報となります。

こうした情報を駆使し、売り子は何とか自分の商品を売り込もうとするでしょう。

有象無象が群がる中で、当の「お金持ち」は、どうやって欲しい商品を取捨選択していくのでしょうか?

自分の信用できる知人/友人からの紹介/推薦という方法で、売り子が信用できるか否かを見極めます。つまりこれこそが「お金持ちの」filteringです。
(実際、”超”がつく富裕層には、大抵、個人税理士がアドバイザーとして番頭の機能を果たしている事がほとんどだと思います。)

そのネットワークに如何に入り込む事ができるか、それが勝負を分けます。

そのネットワークにいる人間は、できるだけ全てをサークル内で完結する様に努力し、取引情報等を外部に漏れ出す情報を最低限にして、既存の勢力図を維持しようとします。

このサークルに関する情報(含む、その構成員)が、次に大事な「情報」となります。
これは、誰とお友達か?というレベルの話であり、一般に知られるコトはまずありません。こうした情報にアクセスできる事、それ自体が極めて重要な価値を有しています。
そこで、この「サークル」或いは「お金持ち」自身にアクセスする為の情報源として、ここでいう「取引情報等」が、貴重な二次的な情報源となります。