証券会社潰すにゃ鉄砲は要らぬ マフィア取締法の怖さ

広瀬氏のブログ

”ドレクセル・バーナムは「ジャンクボンドの王様」、マイケル・ミルケンが活躍した証券会社です。しかし証券取引委員会(SEC)から起訴されて、法廷でのバトルを戦っていました。”
”結局、当時NY南部地域検事を務めていたルドルフ・ジュリアー二(後のNY市長)がSECの訴訟とは別にRICO(暴力団防止法)に基づいてドレクセル・バーナムを起訴し、これがドレクセルの息の根を止めたのです。”
”ここで大事なのはSECの訴訟が民事訴訟であったのに対し、ジュリアー二の訴追は刑事訴訟だった点です。”
”RICOというのは大変恐ろしい法律で、ほぼ完全に追求する相手を仕留める事が出来る法律です。なぜならそもそもRICOはマフィアを取り締まるために作られた法律で、「この会社(あるいは組織)は反社会的だ」と疑われただけで、ぐいぐい斬り込んで行ける法律だからです。”
”ドレクセルの場合、RICOが適用されるとなるともうカウンター・パーティーは短期市場での資金をドレクセルに融通したがらなくなりました。このファンディング不能がドレクセルを倒産に追い込んだ直接の原因です。”
”さて、先週以来のゴールドマンに対するSECの訴追を見ていて僕は1990年のドレクセル・バーナムの事件を思い出しました。もちろんCDOを組成したときには、未だそれが本当に損するかどうかはわからなかったわけですから、「損すると決まったものを売りつけた」という議論にはムリがあります。”ただ、僕が指摘したいのは合法・違法は別として、世間から「この会社は反社会的だ」という風に決めつけられ、RICOが適用されたら、どんなに財務的に健全で、本当は不正をしていない会社だってファンディング不能に陥り潰れる可能性は十分にあるということです。つまり証券会社というのは社会性・公共性の高いビジネスなので、庶民から嫌われる状態というのはリスキーだということです。
その点、「ウォール街のルイ太陽王」と渾名されるJPモルガンのジェイミー・ダイモンは世間の空気がよく読めるので安心感があります。
ゴールドマンのロイド・ブランクフェインはトレーダーのオッチャンの域を出ておらず、空気がぜんぜん読めていません。
今回のゴールドマンの一件にしても、今後、刑事訴訟が起こされる可能性が無いとは言い切れません。だからこそ、謝るなら今なのです!”

なるほどー。勉強になります。広瀬さん