中国が素材を浪費しない国になる日

相変わらず秀逸なobservationです。広瀬さん

http://markethack.net/archives/51742213.html

購買力平価で見た世界のGDPに占める中国の割合は15%弱です。その一方で中国は世界のセメントの53%、鉄鉱石の48%、鉄鋼の45%、アルミニュームの42%、銅の39%、ニッケルの36%を消費しています。このように実体経済の規模に比べて建設資材などの素材の消費が大きい理由は中国の経済が工場、インフラ、住宅、高層ビルなどへの投資を中心として発展してきたからです。”

”そもそもなぜ偏った投資が始まるのかのもとを正せば、そこにexcess return opportunity が存在していたからに他なりません。すごく不足しているものを最初に提供することが出来た人はガッポリ儲けることが出来るというのがexcess return opportunity の意味です。しかしガッポリ稼いでいる人が出現すれば(自分も儲けたい)という人が出るのが資本主義の原理で、次々に新規参入を招き、その利益機会は漸減します。ある時点からは初期投資のコストを勘案すればそれらの工場や高層ビルをつくることは儲からなくなります。すると折角の初期投資の費用が回収できなくなるのです。この現象をcapital destruction(資本破壊)といいます。”

”僕のバブルの定義は住宅やアパートに関してはその物件を賃貸に回したときの家賃収入(キャッシュフロー)で投資コストがリーズナブルに回収できなければ、「より馬鹿ゲーム」的投資観に基づいた投資が蔓延しているというシンプルなものです。”

内需というのはきわめて曖昧な定義であり、多くの人が固定資産などへの投資と消費を区別していません。いまそれらを分けて考えると、過去10年間の間に中国経済は固定資産投資への依存度を高めました。その一方で消費のGDPへの貢献度は逆に下がっているのです。”