脱原発は生命を奪う

ネット論壇で、池田信夫氏は独り原発推進派の立場を貫いている様に見える。
(勿論、池田先生が「推進派」というレッテルに抵抗されてるのはよく理解してますよ。)

http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51717207.html
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51718075.html
http://agora-web.jp/archives/1305863.html

彼の意見をまとめると、
1)ゼロ・ベースでエネルギー政策を考える場合と、現状を所与とした「これからの政策」の検討をする場合では、当然分析結果は異なるものになる。
初期投資が大きくランニングの燃料費が小さい原発と、その逆の火力発電では、総発電コスト(発電単価と言っても良い)という観点から見れば、あまり違いは無い。
が、既に大きな初期投資を終えた原発47基を停止するとなると、大幅なサンクコストが発生するのに加えて、代替電力量を火力発電で賄う為の膨大な燃料費が発生する。
よって原発を停止するという判断に経済合理性は全く無い。(日本エネルギー経済研究所の見立てでは3.5兆円程度のコスト増となるだろうと。)
2)またCO2削減という尺度で見れば、原子力が最も有効なのは明らかである。同じロジックで、化石燃料を大幅に増産した場合、事故に関わるモノと環境汚染に関わるモノで死亡数が大幅に上昇するとみられている。少なくとも死亡率という観点でも、原子力がリスク最少のエネルギーである。
3)電気の送発電事業の分離は、また全く別の論点である。電力自由化の帰結とは、経済合理性という観点のみで(安いか高いかだけで)優勝劣敗が決まる世の中になるという事。その場合代替可能エネルギーは選択肢になり得ない。(発電単価は化石燃料の10倍以上なので)初期投資が大きく長期間に渡る原発も投資利回りという観点では不利なので、結局化石燃料に席巻されることになるだろう。

100%異論なし。

追加。
コレを読むと選択肢3は、現実的に「本当の」自由化をさせる事すら厳しい、という意見ですね。うーむ、説得力ある。

http://agora-web.jp/archives/1332159.html